2001 Fiscal Year Annual Research Report
Down症候群モデル動物Ts65Dnマウスにおける小脳低形成機構の解明
Project/Area Number |
13770421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小島 俊男 理化学研究所, ゲノム情報比較解析研究チーム, 研究員 (00311340)
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Keywords | 遺伝子発現 / cDNAクローニング / ヒトゲノム塩基配列 / 遺伝子予測 |
Research Abstract |
本研究では、Down症候群のモデル動物として知られるTs65Dnマウスの小脳低形成の機序を、小脳形成期の遺伝子発現の異常を究明することにより明らかにすることを目的とする。 今年度は、理化学研究所 脳科学総合研究センターから理化学研究所ゲノム科学総合研究所に移籍した。ゲノム科学総合研究センターには、動物維持施設がなく、また、Ts65Dnマウスの入手が困難だったなどの事情により、関連する技術開発を行った。以下にその概略を記す。 ヒトゲノム塩基配列とEST情報からの全長cDNAクローニングシステムの確立 今日までに蓄積された塩基配列情報は、ヒトゲノム配列を代表とする数種のゲノム配列、cDNA配列、EST等、膨大な量になり、かつ、日々非常な勢いで増加している。これらの情報は実験系の研究者にとっても非常に有用なものであり、研究遂行上、これらの情報をいかに効率よく利用するか、ということが重要な課題となっている。ところが、残念ながら現状ではこれらの情報が有効に活用されているとは言い難い状況である。一方、情報系の分野では、ゲノム配列からの遺伝子予測が盛んに行われている。ただし、発現データを取り入れない遺伝子予測は、実験的検証が困難な場合があり、かつ実験家からは利用しにくい面がある。その大きな理由のひとつは、予測された遺伝子転写産物がいつ、どこで発現されるかが不明なことにある。そこで、これまでに豊富に蓄積された、発現情報を含むESTデータとゲノム配列情報から計算機で遺伝子予測を行い、これを実験で検証するシステムを確立する。これにより効率的に全長cDNAが単離できるようになると考えられる。 現在、計算機の予測を実験的に検証している。
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