Research Abstract |
非典型的であり確定診断がなされていない早老症, 癌多発症の症例について, 研究室データベースから抽出した15人について, 臨床症状を詳細に精査し, 家族歴を調査した。 さらに, 患者, 末梢リンパ球をEBウイルスで不死化して, 蛋白を抽出し, 精査した。 RecQ1, BLM, WRN, RTS, RecQ5の発現をwestern blotで調査した。その結果, 数例は, RecQ1のバンドが正常よりも短いことがわかった。これをもとに, 正常よりも短いバンドを検出した症例について, まず, genomic DNAの変異の有無を, RecQ1について調べた。PCR法とDirect Sequence法とを用いて, イントロンーエクソンーボーダーを確認した後, エクソン領域にプライマーがかからないように設計し, 全塩基配列をシークエンスした。その結果, RecQ1領域には, 変異は認められなかった。しかし, 関連遺伝子であるRecQ4を同様にPCR法とDirect Sequence法にて変異の検索した結果, E267D、R1005Qの変異が検出された, これらの変異が直接, 病態の発症に結びつくかは現在のところ明らかではないが, 例えば, 個々のアミノ酸置換は単なる多型であっても、2つの変異が同時に存在することで、蛋白質の高次構造の変化などを伴い、機能変化に結びつくといった可能性も予想される。これらの研究結果をふまえて, mRNAの発現状況をEBウイルスでトランスフォームした不死化リンパ球から抽出したmRNAを用いて, 転写量, ターンオーバーレートを検索した。この研究に関連して, いくつかの症例報告をPublishした。 11研究発表の項に, 記載した。
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