2002 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインによる好中球活性化機構とアクチンの再構築
Project/Area Number |
13770467
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
忽那 晴央 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00332958)
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Keywords | 好中球 / サイトカイン / アクチン / 細胞骨格 |
Research Abstract |
正常人ボランティアから供血を受け、デキストラン処理、ファイコールコンレイによる比重遠心、浸透圧による溶血などを行い、ヒト好中球を分離し研究に使用した。ファロイジンがFアクチンと結合することを利用して、細胞内のFアクチンの変化を観察した。走化性因子によるアクチン細胞骨格の変化は報告されている。我々もこの現象を確認した。つまり、Fアクチンの増加つまりはアクチンの重合が観察され、その後もとのFアクチンの量に戻るという現象である。好中球において、サイトカイン、その中でもTNF,GM-CSF G-CSFによる刺激により、アクチン細胞骨格に変化が起こるとする報告はない。今回、ヒト好中球を使用し、サイトカインで刺激を行い、経時的にFアクチンの変化を測定をした。フローサイトメーターによる測定では、Fアクチンはサイトカイン刺激により減少し、それが維持されていた。また、アクチン細胞骨格の変化はその細胞内における分布が重要である。今回、我々は共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。走化性因子であるFMLPによる刺激においては、アクチン重合状態において、細胞辺縁にFアクチン増加がみられた。アクチン重合状態からアクチンがもとの総量に戻るときには、進行方向と考えられる部分にFアクチン増加がみられ、進行方向と反対の部分にはFアクチンの減少が確認された。TNF,GM-CSF,G-CSFによる刺激によるアクチンの脱重合においては、辺縁を中心にFアクチンの減少が観察された。走化性因子によるアクチンの重合の変化は、MAPK系の細胞内シグナルとは独立していた。サイトカインによるアクチンの脱重合はMAPK系の細胞内シグナルにより制御されていた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yue-Min Zhon, Haruo Kutsuna, Kenichi Suzuki, Seiichi Kitagawa: "Serine Protease Inhibitors Inhibit Superoxide Release and Adherence in Human Neutraphils Stimulated by GM-CSF and TNF-α"International Journal of Hematology. 77(3). 253-258 (2003)
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[Publications] 忽那 晴央: "サイトカインによる好中球活性化の機序"臨床免疫. 36(1). 76-82 (2001)