2001 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞の皮膚ホーミングレセプターとそれを制御する糖転移酵素の発現動態
Project/Area Number |
13770472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
高橋 良 杏林大学, 医学部, 助手 (00317091)
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Keywords | 皮膚ホーミングT細胞 / E-セレクチン / 皮膚リンパ球関連抗原 / CLA / フコシルトランスフェラーゼ / サイトカイン / 皮膚免疫 / ホーミングレセプター |
Research Abstract |
皮膚に特異的に浸潤するリンパ球は,皮膚ホーミングレセプター(E-セレクチンリガンド:ESL)を発現しており,それはフコシルトランスフェラーゼVII : FucT-VIIによって発現が制御されていている皮膚リンパ球関連抗原 : CLAと考えられている。我々は健常人の末梢血から分離したナイーブCD4T細胞を活性化し,経時的にFucT-VII及びCLAの発現を解析。さらにESLを直接可視化して分析したところ,新たな知見を得た。 1.全く判っていなかったCLAとFucT-VIIの発現kineticsを明らかにした。 2.それは,細胞の活性化の初期にFucT-VIIが一過性に発現し,その発現がピークに達した後CLAが発現した。 3.このkineticsの解析により,我々が末梢血に見いだした両者の発現の解離を証明した。 4.ESLを直接可視化する方法により,CLAがESLではないことを初めて見いだした。 (1)前述のkineticsで,細胞がいつE-セレクチンに接着するのかを調べた結果,CLAが発現していなくても細胞が接着した。その時期はFucT-VIIの発現に少し遅れて見られた。 (2)細胞膜上のCLAの発現パターンと直接可視化したESLの発現パターンは全く一致していなかった。 5.これらの解析の結果より,(1)CLAは皮膚ホーミングレセプターではないことを証明した。 (2)FucT-VII,ESL,CLAの発現様式を調べることで,未知であった皮膚ホーミングCD4T細胞の分化パターンを明らかにした。 今後の研究展開:CLAの発現をdownregulateするサイトカインのインターロイキン4:IL-4を産生するCLA陽性リンパ球が,アトピー性皮膚炎患者の末梢血及び炎症皮膚で増加している。この矛盾を解くためにIL-4のESL, FucT-VIIそしてCLAの発現に与える作用を研究する必要がある。
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