2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770490
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桐生 茂 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20313124)
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Keywords | MRI / 肝硬変 / テンソル画像 / 拡散強調画像 / 犬山分類 / FA / ADC / TRACE |
Research Abstract |
本研究は拡散強調画像を用いたラット肝の線維化の評価であるが、平成13年度は撮影法の最適化と正常ラットの撮影を行い、平成14年度は平成13年度の結果に基づきラットの硬変肝の作成及び撮影評価を目標とした。撮影は臨床で用いられているEPI法は消化管に近接する肝臓の撮影には画像の歪みが大きく適していないためスピンエコー法を用いた。Wistar ratを用い、肝硬変モデルの作成を行った。14例で肝硬変モデルを作成し、人体に則して犬山分類を用いF1-4(F0:線維化無し、F1:門脈域の線維性拡大、F2:線維性の架橋形成、F3:小葉の歪みを伴う繊維性架橋形成、F4:肝硬変)に分類した。14例でモデルの作成が可能でF0 2例、F1 2例、F2 2例、F3 2例、F4 6例であった。6方向のそれぞれ異なる傾斜磁場によりテンソル画像が作成可能であり、FA値の測定が可能であった。その他、前年のとおりADC値、TRACE値も算出可能であった。これらはBasserらのA Simplified Method to Measure the Diffusion Tensor from Seven MI Images (MRM39:928)を参考にして求めた。ADC値、TRACE値、FA値の平均はF0が2.08E-04、6.93E-05、4.86E-01、F1が2.35E-04、7.84E-05、5.76E-01、F2が3.21E-04、1.07E-04、5.99E-01、F3が2.49E-04、8.29E-05、6.81E-01、F4が2.78E-04、9.26E-05、6.77E-01で、F0からF4にかけていずれも値が増大する傾向がみられた。統計的有意差については例数が少ないため得られていない。 今後は例数を増やして検討を行い、さらに症例の検体による検討も行いたい。 今後、パルスシーケンスの検討でin vivoの測定が可能になれば非侵襲的に肝硬変の線維化の程度が測定可能であると思われる。
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