2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770502
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細井 理恵 大阪大学, 医学部, 教務職員 (30291446)
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Keywords | 糖代謝 / cAMP / デオキシグルコース法 / ラット / db-cAMP / Rp-cAMPS |
Research Abstract |
本年度はラット脳内に無麻酔、非拘束下でcAMP誘導体を微量注入した際の糖代謝の制御を中心に研究を進めた。糖代謝の測定にはデオキシグルコース(DG)法を用いた。cAMP誘導体としてはそのアナログであるdb-cAMPおよびプロテインキナーゼA(PKA)の拮抗薬であるRp-cAMPSを用いた。db-cAMPをラット線条体内に微量注入した際の^<14>C-DGの取込みは対側と比較し、約20%減少していた。その際の局所脳血流量を^<14>C-ヨードアンチピリンで測定した結果、逆に増加傾向がみられ、DGの取込みの減少は血流の変化に依存したものではないことが判明した。さらに、Rp-cAMPSを用い同様の検討を行った結果、DGの取込みは約50%もの増加がみられ、さらに局所脳血流量は低下傾向にあることが判明した。以上からcAMPにより糖代謝は抑制される方向に制御され、その制御はPKAを介したものであることが示唆された。これまでに報告されている細胞レベルでのcAMPによる糖代謝の制御はすべてcAMPにより糖代謝は促進する、というもののみであり、個体レベルでの生体脳における糖代謝の制御は、いわゆるビトロでの実験で得られる結果とは異なっていることが判明した。またdb-cAMPを無麻酔下のアカゲザルに投与した場合も同様の結果が得られ、cAMPによる生体脳における糖代謝の制御はげっ歯類のみではなく霊長類においても同様であることが判明し、おそらくヒトでも同様の制御機構が存在することが推察された。
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Research Products
(1 results)