2001 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌の化学放射線治療効果予測の先行指標としてのp53関連遺伝子発現の検討
Project/Area Number |
13770517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
玉本 哲郎 奈良県立医科大学, 腫瘍放射線医学, 助手 (50326344)
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Keywords | 食道癌 / p53 / 先行指標 / 化学放射線治療 |
Research Abstract |
平成13年4月より平成14年2月まて、当施設で放射線治療を施行した食道癌新鮮例23例のうち、放射線単独例は10例、EMR後の放射線治療例は2例であった。化学放射線治療を施行した症例は11例(同時併用は8例、異時併用は3例)であった。同時併用例のうち40Gyで手術となった症例は2例、残った6例のうち、インフォームドコンセントの上、プロトコール通りに60Gy以上の放射線治療を完遂し、かつ治療前および10Gy時、治療後に組織採取が可能であったものは3例にとどまった。その内訳は、年齢49-72歳、男:女は2:1であった。進達度は、T2が1例、T3が1例、T4が例、病期はIII期が1例、IV期が2例であった。プロトコール症例のうち、1次効果はいずれもPRであった。2例は生存(無病生存1例、坦癌生存1例)しており、1例は胃癌との重複癌症例であったが6ヶ月後に原病死された。 採取した癌組織の一部はホルマリン固定し、免疫組織染色法によるp53ならびにWAF1,bcl-2,bax, gadd45,caspase-3の遺伝子産物についての検討は現在進行中である。p53遺伝子については、組織の数が少なかったため、RT後PCR-SSCP法による変異型遺伝子配列部位の塩基配列検索については次年度に施行し、報告する。 本年度は例年と比較して、高度進行例と早期例が極端に多かったことも影響して放射線単独例が前年よりも多かった。同時併用例のなかに術前化学放射線同時併用例からの脱落例2例あり、プロトコール通りに組織の採取が難しかった。次年度については、計画通りに症例登録(10例)を行っていく予定である。
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