2001 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンによるナトリウムチャネル活性化の発生工学的手法を用いた解析
Project/Area Number |
13770602
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北村 健一郎 熊本大学, 医学部・内科学・第三講座, 文部科学教官助手 (10304990)
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Keywords | ナトリウムチャネル / セリンプロテアーゼ / プロスタシン / 高血圧 |
Research Abstract |
1)プロスタシン過剰発現マウスの作成 ヒトBACライブラリーをヒトプロスタシンcDNAを用いてスクリーニングし、ポジティブクローンを3つ得た。制限酵素マッピングを行い、プロスタシン遺伝子のみを含む約15kbpのフラグメントを切り出し、プラスミドにサブクローンした。今後、マウスの受精卵に注入していく予定である。 2)セリンプロテアーゼ阻害薬によるプロスタシンの分泌阻害 臨床上使用されるセリンプロテアーゼインヒビターであるメシル酸ナファモスタットは時々低ナトリウム血症および高カリウム血症という副作用を生じることが知られている。この発症機序にメシル酸ナファモスタットによるENaCの活性阻害が関与する可能性が示唆されてきた。そこでプロスタシンがこの副作用発現に関与していると仮説を立て、メシル酸ナファモスタットのプロスタシン発現に対する影響を検討した。マウス皮質集合尿細管由来の培養細胞(M-l cell)にメシル酸ナファモスタットを投与し、培養上清中へのプロスタシンの分泌をウエスタンブロットで評価した。メシル酸ナファモスタットの投与によりプロスタシンの分泌はほぼ完全に抑制された。また、ラットにメシル酸ナファモスタツトを持続静注するとプロスタシンの尿中排泄はほぼ完全に抑制され、尿中ナトリウム排泄量は著増した。以上の結果より、メシル酸ナファモスタットによる低ナトリウム血症・高カリウム血症の発現の機序として、プロスタシンの分泌抑制によるENaCの活性障害の可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Adachi, M. et al.: "Activation of Epithelial Sodium Channels by Prostasin"Journal of the American Society of Nephrology. 12. 1114-1121 (2001)
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[Publications] Kyuma, M. et al.: "A family with liddle's syndrome caused by a mutation in the beta subunit of the epithelial sodium channel"Clinical and Experimental Hypertension. 23. 471-478 (2001)
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[Publications] Narikiyo T. et al.: "Regulation of Prostasin by Aldosterone in the Kidney"Journal of Clinical Investigation. 109. 401-408 (2002)
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[Publications] Yamakawa, K. et al.: "Gα_<13> induces ppET-1 gene expression via JNK"Hypertension Research. (in press).