2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルス式色素希釈法による新生児期の心拍出量と脳循環血流量の測定
Project/Area Number |
13770617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
河田 興 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40284369)
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Keywords | インドシアニングリーン / 新生仔豚 / パルス式色素希釈法 / 心拍出量 / 循環血液量 / 新生児 / NICU / 心機能 |
Research Abstract |
(目的)今日成人領域においては、パルス式色素希釈法の原理を用いたDDGアナライザ(DDG-2001日本光電工業社製)を用いて心拍出量や循環血液量といったパラメータを低侵襲で、採血することなしにベッドサイドで繰り返し測定することができ、ICUなど適切な循環管理が必要な場面で実際に臨床応用されている。しかし新生児では組織の測定に及ぼす影響が成人と異なることが予想され、パルス式色素希釈法の臨床応用はまだ行われていない。本研究では、新生児においてこの方法が応用可能であるかについて、臨床データを収集しその有用性の検討及び新生児の循環動態の生理学的特異性やその発達的変化を明らかにすることを目的とするものである。 (研究方法)新生児における測定 (対象および方法)体重651-3556g、測定日齢0-129を対象とし、インフォームドコンセントを両親より得て行った。ICG(0.2-0.5mg/kg)を上肢の末梢より静注し、循環血液量、心拍出量の測定はDDGアナライザ(DDG-2001日本光電工業製)で測定をおこなった。 (結果)1.動脈血中ICG濃度とパルス式色素希釈法の比較検討 ICG投与後2ないし3回採血し、分光光度計にて動脈血中ICG濃度を測定した。動脈血中ICG濃度とパルス式色素希釈法の間にはy=0.91x-0.10 (n=19、P<0.0001) r=0.923の良好な正の相関が認められた。新生児においても成人と同様にパルス式色素希釈法によって正確に動脈血中ICG濃度を測定できることが証明された。 2.心拍出量と循環血液量 心拍出量は104-385(平均193) ml/kg/min、循環血液量は69-134 (平均110) ml/kgであった。これらの結果は従来の方法とほぼ同様であった。 この方法は新生児の適切な管理および治療を行うために循環動態等を把握する上で大変有用であると考えられた。
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