2002 Fiscal Year Annual Research Report
胎内感染の指標としての河溶型CD14の測定意義と臨床的応用
Project/Area Number |
13770623
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
泉田 美知子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50306346)
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Keywords | 可溶型CD14 / 急性期反応物質 / エンドトキシン / 細菌感染症 / 自然免疫 |
Research Abstract |
CD14は、エンドトキシンと強く結合し、炎症性免疫反応の発現やエンドトキシンのクリアランスに関わる糖タンパク質である。可溶型CD14(sCD14)は血清中に存在しており、エンドトキシンの運搬やマクロファージへの結合を調節していると考えられている。また、sCD14は、急性期反応物質のひとつであり、細菌感染の際に血清中に増加することが知られているが、胎内感染や新生児感染症のマーカーとしての有用性に関しては、十分な検討はなされていない。 ・方法と対象:生後2か月以下で発熱をきたし当院に入院管理となった児(21人、57検体)を対象にsCD14(R&D Systems)を測定し、感染症のマーカーとしての有用性、既に臨床応用がなされているAPRスコアとの関連を検討した。 ・結果:回帰分析を施行したところ、単回帰分析ではCD14とCRP(R=0.288、P=0.029)、CD14とHP(R=0.370、P=0.021)、CD14とα1AG(R=0.450、P=0.004)に相関関係がみられ、重回帰分析(ステップワイズ分析)ではα1AGのみが選択された。APRスコアとの比較では、CD14値(平均値)はAPRO点の時9247±413pg/ml(平均±標準偏差)、1点の時6424±1121pg/ml、2点の時7726±1881pg/ml、3点の時14104±7852pg/mlであり、1点と2点間、2点と3点間で有意差を認めた(ANOVA、P=0.046)。またCD14のAPRスコア算定のそれぞれのカットオフ値で2群間比較を施行したところ、CRP(カットオフ値0.3mg/dl)では7651対12046pg/ml(P=0.025)、HP(カットオフ値50mg/dl)では7234対13494pg/ml(P=0.015)で有意差があったが、α1AG(カットオフ値50mg/dl)の時は有意差を認めなかった(9032対12127、P=0.48)。 ・結語:CRPとHPはCD14と正の相関が認められ、感染症評価の指標のひとつとして有用である可能性が示された。成人の敗血症ではグラム陰性菌感染での高値も知られており、新生児感染症におけるCD14測定の有用性はさらに検討されなければならない。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hitomi Sano, Michiko Iizumida, Hiroshi Shimizu, Yunosuke Ogawa: "Risk factors of renal involvement and significant proteinuria in Henoch-Schonlein purpura"Eur J Pediatr. 161. 196-201 (2002)
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[Publications] 泉田美知子, 佐野仁美, 岡野俊季, 新田啓三, 高山千雅子, 菅原志保子, 渡辺王志, 板倉敬乃, 清水浩, 小川雄之亮: "免疫グロブリン大量療法が寛解維持に有効であった多発性硬化症の1例"日本小児科学会雑誌. 106. 891-895 (2002)