2001 Fiscal Year Annual Research Report
新生仔ブタ胎便吸引症候群モデルにおける肺サーファクタント代謝の研究
Project/Area Number |
13770624
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小俣 真 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70286045)
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Keywords | 胎便吸引症候群 / 新生仔ブタモデル / サーファクタントサブタイプ |
Research Abstract |
胎便には肺表面活性物質に対する強い阻害作用があり、胎便吸引症候群(MAS)では機能的に肺サーファクタントが欠乏した状態にあると考えられる。そのメカニズムの一つとして、胎便によるサーファクタント・サブタイプの転換促進作用(表面活性を有するlarge surfactant aggregates(LA)を表面活性に乏しいsmall surfactant aggregates(SA)へ転換)がある。今回、新生仔ブタ胎便吸引症候群(MAS)モデルにおける気管支肺胞洗浄液中のサーファクタント・サブタイプの検討を行った。 【方法】日齢0の新生仔ブタに20%ヒト胎便5ml/kgを経気道的に投与してMASモデルを作製した。対照群には同量の生理食塩水を投与した。その後人工換気を6時間行った後に、気管支肺胞洗浄液(BALF)を回収した。BALFをVeldhuizenらの方法に準じた遠心操作にて上清(SAに相当)と沈渣(LAに相当)に分離した。それぞれのリン脂質量からサーファクタントサブタイプの構成を検討した(SA/LA比)。さらに上記LA(リン脂質として1.2mg)にin vitro surface area cyclingを行い、サブタイプ転換率(%conversion)を算出した。 【結果】BALF中のSA画分はMAS群で有意に増加していた(SA/LA比0.20±0.02% vs. 0.09±0.01%、P=0.0003)。またMAS群のLAはsurface area cyclingで容易にSAに転換された(%conversion:82±2% vs. 59±3%、P=0.0002)。 【結論】:MASモデルにおける解析は、細胞外サーファクタント代謝の変化を示した。またLAそのものの質的変化も合わせて示された。このことから、胎便はin vivoにおいても、細胞外サーファクタント代謝に影響することが考えられた。
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Research Products
(2 results)