2001 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲンの血管平滑筋細胞への抗動脈硬化作用に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
13770653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
板橋 直樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (00316522)
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Keywords | 17β-エストラジオール / アンジオテンシンII / アルギニンバソプレシン / 血管平滑筋細胞 / ^3H-サイミジン / cdk2抗体 / PCNA抗体 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
SDラットの胸部大動脈から血管平滑筋細胞を得た。10%牛胎児血清加MEM培地で培養し、実験に用いた。17β-エストラジオール(E_2)、血管作動性ホルモン(アンジオテンシンII(AngII)、アルギニンバゾプレシン(AVP))のそれぞれの作用とその相互作用を細胞周期の立場から、^3H-サイミジンの取り込み、ウエスタンブロット法によるサイクリン依存性蛋白cdk2、PCNAにて検討した。まず、^3H-サイミジンの取り込みにおいては、E_2はそれ自体また、増殖メディウム添加時において変化は認めれなかった。AngII、AVPについては12時間をピークに取り込みの増加を認めた。cdk2、PCNAの活性においては、AngII、AVPは12時間をピークに時間依存的に、また、それぞれ0.1μM、1μMをピークに濃度依存的にその活性の増加を認めた。そして、0.1μM AngII、1μM AVPの12時間後の^3H-サイミジンの取り込みとcdk2、PCNAの活性増加を0.1μM E_2は抑制した。これらの事は、血管作動性ホルモン(AngII、AVP)の細胞増殖傾向をE_2はG1-S期において抑制している可能性が示唆された。 今後(平成14年度)は、なぜ血管作動性ホルモン(AngII、AVP)の細胞増殖傾向をE_2は抑制するのかについて、エストロゲン受容体と血管作動性ホルモンの関係(細胞内シグナルメカニズム)を考慮し解析を進めてゆく。
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