2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖化タンパクの動脈硬化進展に及ぼす影響とPPARagonistの効果
Project/Area Number |
13770657
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
市川 晃治郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30330905)
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Keywords | pioglitazone / bezafibrate / PPAR / 組織因子 / 単球 |
Research Abstract |
方法 (1)albuminを50mM,glucose-6-phosphateで4週間糖化しAGE-albuminを作成する。 (2)ヒト大動脈由来平滑筋細胞、ヒト末梢血単球細胞、U937細胞を100mg/dlグルコースを含んだDMEMで培養する。 (3)平滑筋細胞、ヒト末梢血単球細胞、U937細胞をAGEアルブミンで刺激する。6時間後にflowcytometryを用いて細胞表面の組織因子発現量を定量する。 (4)PPARαおよびγのagonistであるfibrate系の薬剤(bezafibrate)、およびthiazolidine誘導体(pioglitazone)を1-100μg/mlの濃度で培養液中に添加する。 (5)これらの薬剤が組織因子発現に与える影響を同様にassayする。 結果 U937細胞をAGEで刺激することにより16.55A.U.の組織因子発現が見られpioglitazoneとbezafibrateにてそれぞれ9.91A.U.、10.87A.U.へ抑制された。 また、ヒト末梢血単球細胞を密度勾配遠心およびdishへの接着性により分離し、この単球細胞においてもAGE刺激の効果を検討した。同様にAGEにより15.14A.Uの組織因子の発現が見られたがpioglitazoneとbezafibrateにてそれぞれ13.16A.U.、13.93A.U.に抑制された。 またWestern blotではpioglitazoneとbezafibrateいずれにおいてもAP-1の発現が抑制された。 考察 AGEによる組織因子発現はpioglitazoneとbezafibrateいずれにおいても抑制された。その機序としてはAP-1の活性化の抑制が考えられた。
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