2001 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞とケモカインを用いた遺伝子療法の基礎的研究
Project/Area Number |
13770680
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
清水 公一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90256545)
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Keywords | ケモカイン / SLC / 免疫療法 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
1:C57BL/6マウスの骨髄細胞を採取し、GM-CSFとTNFαを添加して培養して樹状細胞を誘導した。Double chamber systemを用いてtop chamberに樹状細胞または脾臓細胞を浮遊させ、bottom chamberに幾つかの濃度のSLCを入れて2時間培養し、遊走してくる細胞の割合をFACSにて解析した。樹状細胞は新鮮脾細胞に比較して10〜100倍SLCに対して反応性が強く、またCD4陽性T細胞がCD8陽性T細胞に比較してSLCに対する反応がより強かった。未熟樹状細胞と成熟樹状細胞とで比較した場合、この両者には有意差は認められなかった。 2:C57BL/6マウスに同系腫瘍であるB16-BL6メラノーマを皮下接種し、増殖した皮下腫瘍に対してSLC 3mcgを1日1回3日間直接注入してSLCの抗腫瘍効果を測定した。腫瘍内にSLCを注入したマウスでは50%以上の腫瘍増殖抑制効果が認められたが、PBS局注コントロールマウスでは腫瘍増殖抑制は認められなかった。SLCを腫瘍部外の遠方に皮下注入したマウスでは、腫瘍増殖抑制効果は認められず、SLCの抗腫瘍効果は腫瘍局所投与でのみ確認された。SLCの投与量を0.1〜25mcgに変えて行った実験系において0.1mcgの注入では腫瘍増殖抑制効果は認められず、1〜25mcgでは同等の腫瘍増殖抑制効果が確認された。 3:SLCの効果がマウス生体のどの免疫担当細胞によるものかを調べるために、C57BL/6マウスをあらかじめ抗CD4抗体もしくは抗CD8抗体にて処理し、CD4陽性T細胞もしくはCD8陽性T細胞を除去したマウスで実験を行った。CD8陽性T細胞を除去したマウスではSLCを投与しても腫瘍増殖抑制効果は認められず、CD4陽性T細胞除去マウスではコントロール群と同様にSLC投与により腫瘍増殖抑制効果が認められた。以上より、SLCの抗腫瘍効果発現には生体内のCD8陽性T細胞が重要な働きを担っていることが確認された。
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