2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝虚血再灌流後の肝転移における反復虚血の転移抑制効果についての検討
Project/Area Number |
13770691
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
打波 大 福井医科大学, 医学部, 助手 (20242589)
|
Keywords | 肝虚血再灌流 / E-selectin / 細胞接着因子 / 大腸癌肝転移 |
Research Abstract |
1.肝虚血再灌流後の肝転移形成について実験計画に記載した3群(対照群、連続虚血群、間歇虚血群)間で比較検討した結果以下の知見を得た。(1)肝転移結節総数(個)は、対照群:0.6±0.54、連続群:1114.2±384.4、間歇群:32.0±40.7で、連続群は対照群に比べ有意に増加したが、間歇群は連続群に比べ有意に減少していた(P<0.005)。(2)虚血葉、非虚血葉に分けても同様の結果であった。(3)結節重量(g)も間歌群は連続群に比べ有意に減少していた(P<0.005)。(4)肝虚血による癌転移の促進効果は間歇虚血によって虚血葉、非虚血葉ともに抑制されることが明らかとなった。 2.肝虚血後癌転移の機序について細胞接着因子であるE-selectinに着目し、以下の実験を行った。3群とも再灌流後(対照群は閉腹後)1、3、6、12、24時間後に肝を採取し、RT-PCR法にて虚血葉、非虚血葉ともにE-selectin mRNA発現を定量した。間歇群では連続群に比べE-sdectin mRNA発現の低下が予測されるが、結果については現在検討中である。 3.LacZ遺伝子を形質導入した腫瘍細胞の脾臓注入後肝転移形成に至る細胞動態をβ-ガラクトシダーゼ染色にて経時的に検討した。60分間連続虚血後に腫瘍細胞を脾臓注入すると6時間後には類洞外の肝実質内へ、7日後には肝被膜下に到達し、肉眼では認知できない微小転移巣を形成することが明らかとなった。脾注後超早期(6時間以内)、後期(7日以後)については現在検討中である。
|