2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍抗原遺伝子発現型ウイルスベクターによる免疫遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
13770709
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桑野 雄介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60307379)
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Keywords | 免疫遺伝子療法 / 腫瘍抗原遺伝子 / ヘルペスウイルスベクター / G207 |
Research Abstract |
今回われわれは,腫瘍抗原遺伝子を導入したウイルスベクターを腫瘍原発巣に直接的に導入することで抗腫瘍免疫を誘導し,腫瘍増殖抑制,および転移抑制効果を目指した免疫遺伝子療法の開発を行った。 本年度の研究として,まず,腫瘍抗原遺伝子発現型ヘルペスウイルスベクターの作製を試みた.マウス大腸癌CT26抗原ペプチドのAH1,マウスメラノーマB16抗原ペプチドのTRP2に対するminigeneを合成して(Adenovirus E3遺伝子のsingle sequenceとのカセットで)組み込んだアンプリコンベクターを構築する試みを行った。アンプリコン型ヘルペスウイルスベクターは,ヘルパーウイルスとして,ICP4の点変異株,非複製型のtsk変異ウイルス(温度依存性に増殖制御され37℃では複製できない,in vivoでの非複製型アンプリコン型ヘルペスウイルスベクター),さらにDNA複製に関与するICP6にLacZ遺伝子を挿入し,神経毒性に関与するγ345遺伝子を欠損させた複製型G207変異ウイルス(分裂細胞の中でのみ複製する,複製型アンプリコン型ヘルペスウイルスベクター)を用いて作製した。現在,導入された腫瘍抗原遺伝子が発現されているか検索を行っているところである。 次に,BALB/cマウス大腸癌肝転移モデルの作製を平行して行った。BALB/cマウス由来大腸癌株CT26(高肝転移株)5×10^5個を脾臓被膜下に注入し,脾静脈を介した肝転移モデル(血行性転移を模倣した肝転移モデル)を作製した。現在のところ,CT26注入後21日目で評価可能な肝転移個数を肝表面に認められることが判明した。今後は,腫瘍細胞注入後7日目(治療施行予定日)に肝転移を起こしているか検討を行う。
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