2001 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍に対する樹状細胞ワクチン療法で用いる最適な抗原の検討
Project/Area Number |
13770719
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新井 俊文 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70307560)
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Keywords | 樹状細胞 / がんワクチン / 免疫細胞療法 |
Research Abstract |
癌に対する新しい治療法として、強力な抗原提示細胞である樹状細胞を用いた特異的免疫細胞療法の開発研究が精力的に進められている。そのなかで、癌抗原を提示させた樹状細胞をワクチンとして接種する癌ワクチン療法のための最適な抗原を検討する研究を計画した。樹状細胞は癌抗原を貪食して処理した後、MHCとのComplexとして細胞表面に癌抗原を提示する。このときの捕食抗原として腫瘍抽出抗原(Tumor Lysate)、合成抗原ペプチド、アポトーシス癌細胞が現在有効とされており、これらの抗原を比較して最適な樹状細胞ワクチンの開発を試みた。平成13年度はまず腫瘍抽出抗原とアポトーシス癌細胞を用いて特異的免疫応答励起の比較実験を実施した。6週齢メスC57BL/6マウスの骨髄細胞を採取し、GM-CSFとIL-4添加培養液内で1週間培養して樹状細胞を誘導し、同系腫瘍であるB16メラノーマよりFreeze/thaw methodにて得られたTumor lysateもしくはUVBで20分処理してアポトーシスを誘導した腫瘍細胞をover nightでパルスした。抗原をパルスした樹状細胞ではパルスしない樹状細胞と比較して樹状細胞からのIL-12産生増強が確認された。In vivoでの抗腫瘍効果を比較するため、BL6 melanomaを皮下接種したマウスにTumor lysate-pulsed DC、Apototic cell-pulsed DCもしくはunpulsed DCを皮下投与し、腫瘍径を2日ごとに測定し、腫瘍増殖抑制効果を検討した。HBSS投与のコントロール群と比較してumpulsed DC投与群では腫瘍の増大は抑制されなかったが、Tumor Lysate-pulsed DC及びApototic cell-pulsed DCを投与した群では有意に腫瘍の増殖が抑制され、この2群間には有意差を認めなかった。以上の結果よりTumor LysateとApototic cellは同程度に樹状細胞の抗原として有用であることが示された。平成14年度は合成ペプチドとの比較を計画している。
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