2002 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌におけるアポトーシス抑制蛋白Survivinと抗癌剤感受性の関係
Project/Area Number |
13770742
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小山 孝彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40317144)
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Keywords | survivin / in situ hybridization / 非小細胞肺癌 |
Research Abstract |
SurvivinはIAPファミリーに属すBIRドメイン1つもつ140アミノ酸からなる蛋白で癌組織に特異的に発現すると報告されているが、本研究の免疫染色により正常組織にも発現が認めらIAPの役割はないと考えられた。しかし細胞周期のS〜G2期に特異的に発現していることは確かであり、細胞増殖に関与している蛋白であると考えられた。また多くの悪性腫瘍でその発現が増加していることは明らかになっていることから、Survivinの過剰発現は細胞増殖が亢進している状態であることを示し、細胞癌化後の悪性度に関与している可能性があると考えられる。 In situ hybridizationのmRNAの定量と免疫染色にて蛋白質の発現との相関を調べ下記について検討を試みた。 1.IIIA, IIIB期非小細胞肺癌のSurvivin発現と予後との関係 1999〜2001年のIIIA, IIIB期非小細胞肺癌の手術症例にて in situ hybridizationと免疫染色を行いmRNAの発現量と蛋白発現量に相関があるか調べ、蛋白発現量の違いと予後について検討する。40例を予定した。 【問題点】 Survivinの抗体作製には成功したが、過去の検体の保存状態の違いでin situ hybridizationの検出率が異なり測定精度がまちまちであったため、retorospectiveな検索が困難と考えられた。今後はIIIA, IIIB期非小細胞肺癌の手術症例に対しprospectiveな調査を計画している。
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