2002 Fiscal Year Annual Research Report
操作性の向上を目的とした組織非障害性小型超音波剥離装置の開発とその評価
Project/Area Number |
13770749
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
石田 徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20307557)
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Keywords | 外科学 / 超音波剥離装置 / 組織非障害性 / 心臓血管外科 / 内胸動脈 |
Research Abstract |
[目的]冠動脈血行再建術における内胸動脈の剥離操作において、内胸動脈側枝処理に超音波メスを用いることにより剥離操作を簡易化するskeletonization法が普及されている。しかしながら、現在使用されている超音波メスは血管を挟むことなく管状のまま血管壁全周に熱変性を加える非効率性があり改善すべき点が少なくない。そこで我々は内胸動脈の側枝処理に通常用いられるヘモクリップ先端と同等のサイズで、側枝を挟みつつ超音波を発振し側枝を切断する軽量かつ操作性が簡便な小型専用装置を開発した。本研究では本装置の臨床応用時の有用性を組織学的に検討することを目的とした。[方法]昨年度の実験結果を踏まえ本装置のハンドピースの設定を周波数34kHz、振幅170μmとして上で、雑種成犬の内胸動脈を本装置にて剥離、標本を作製し組織学的に評価する。[結果]雑種成犬を用いて本装置にて剥離実験を行った。内胸動脈剥離操作時において本装置のハンドクリップの耐久性等に次の2点に問題があることが判明した。1.ハンドピース板状バーのシリコンカバー接着耐久性、2.ハンドピース板状バー自体の耐久性および構造上の問題。通常臨床にて内胸動脈を剥離する際は約20〜30分間(最大約60分程度)持続的に本装置を使い続けるためハンドピースには高度の耐久性を必要としている。いずれの問題点も実際に持続使用する上で判明した。第1の問題点に関しては現在接着材料の改良で対応可能であると考えられる。第2の問題点に関しては、長時間使用することで板状バーが破損したことより同バーの脆弱性が判明、現在材質の改良中である。さらに現在の内胸動脈を剥離中は板状バーが開いていて内胸動脈の側枝を処理する際に板状バーを閉じるといった構造では長期時間の使用のハンドリングに支障があると考えられた。このため、内胸動脈の側枝を処理するときのみに板状バーを開閉できる構造に変更するなどの構造上の改良も検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 石田 徹 他6名: "開心術における洗浄回収式自己血輸血と術後感染合併症の関連"胸部外科. 55巻9号. 763-766 (2002)
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[Publications] Toru Ishida et al.: "Sequential bypass using the right gastroepiploic artery for coronary artery bypass grafting"The Japanese Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery. (In press).