2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工血管置換による血行動態変化の工学的解析評価システムの開発
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13770751
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
白石 泰之 早稲田大学, 生命・生体・福祉研究所, 助手 (00329137)
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Keywords | 人工血管 / 血液循環シミュレータ / 心臓収縮機能 / インピーダンス整合 / 高齢者血行動態 / 治療効果予測システム / 数式モデル |
Research Abstract |
昨年度までに患者の手術を想定した動物実験により主要大動脈部位の人工血管による置換前後の血行動態データの取得を行った.本年度はこれらの生体データを参照し,人工血管置換手術の工学的解析評価システムの構築・開発研究を進めた.設計開発を行った血液循環シミュレータでは,体重40〜50kg程度の成人の心臓および動脈内の圧力流量特性を高度に模擬することを目的とし,生体血液循環系と機械工学における流体回路系のアナロジを用いて回路内各要素を設計・製作した.このシミュレータは,形状を模擬した左心房・左心室モデルとテーパ及び分岐を有する大動脈弓形状を高度に模擬した高分子弾性管製大動脈モデル,また中小動脈における血管抵抗を集中定数化しサーボ機構による抵抗制御を行うことが可能な末梢抵抗装置・肺静脈を模擬したオーバーフロータンクから構成される.左心室モデルの駆動には,自然心臓における心臓収縮機能(Emax)を再現するアクチュエータを用い,人工血管置換による動脈血管系の特性変化と心臓-血管系の力学的整合について工学的観点から外科手術における患者の心機能への影響を定量化することを試みた.さらに,臨床における大動脈疾患の外科手術適応患者には高齢者が多いことを考慮し,開発した血液循環シミュレータにおいても高齢者特有の血行力学的データを再現できるシステムの設計方法についても検討を行い,血管の粘弾性特性を新たな手法を用いて数式モデルにより解析した.それらのデータに基づいてシミュレータ動脈血管系要素の力学パラメータを変動させることにより作動流体の圧流量特性を任意に可変とするシステムができた.治療効果の予測システムには,患者の個体差と生体の力学的適応も考慮されることが望まれるが,本研究の設計開発手法をさらに展開することにより,ナノテクノロジーや組織工学を利用した次世代の人工臓器開発設計・評価にも応用できると考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 白石泰之, 齋藤勇二, 岩村弘志, 青木秀宜, 渡邊聡亮, 藤本哲男, 梅津光生ほか: "腹部大動脈用分岐人工血管の力学的評価シミュレータの開発"第13回バイオエンジニアリング学術講演会講演論文集. 77-78 (2002)
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[Publications] Shiraishi Y, Watanabe T, Saito Y, Aoki H, Fujimoto T, Umezu M: "HEMODYNAMIC SIMULATION FOR THE EVALUATION OF VASCULAR SURGICAL TREATMENT USING WASEDA MECHANICAL CIRCULATORY SIMULATOR"Proc of Asian Simulation Conference/the 5th International Conference. 1057-1060 (2002)
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[Publications] Fujimoto T, Tsutsumi Y, Shiraishi Y, Iwasaki K, Umezu M, et al.: "In vitro Evaluating system for prosthetic heart valves in a case of the Jyros valve"Biocybernetics and Biomedical Engineering. 22(4). 41-46 (2002)