2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己肺をoxygenatorとする完全体外循環法の炎症反応抑制効果から見た可能性
Project/Area Number |
13770754
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
千原 新吾 久留米大学, 医学部, 助手 (60309820)
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Keywords | 体外循環 / 炎症反応 / nitric oxide / 右心バイパス / 左心バイパス |
Research Abstract |
本年度実験計画の予備研究として間質性浮腫に多大なる影響を及ぼす開心術術後の腎機能を体外循環使用、非使用の2群に分け検討し報告した。 自己肺をoxygenatorとする完全体外循環回路モデルにおける間質浮腫の増強がnitric oxide吸入により軽減するか否かを検討した。 [1]実験動物:雑種成犬10頭を使用し、各群n=5とした。 [2]実験群:自己肺群:自己肺を用いた完全体外循環を行った群 自己肺+NO群:自己肺群にNOガス吸入(20ppm)を併用した群 [3]実験方法:全身麻酔及び人工呼吸管理下に、右房脱血及び肺動脈送血による右心バイパスに加え左房脱血及び大動脈送血による左心バイパスモデルを作成後、心筋保護液の間欠的投与により心停止を120分間行い、30分の再灌流後体外循環から離脱させた。 [4]結果 (1)向炎症性反応:肺静脈血中のIL-1β、IL-6、IL-8およびPMN-elastaseは自己肺+NO群に比較し、自己肺群有意に高値であった。 (2)形態学的検討:肺組織の血管内皮細胞におけるE-selectinの発現量および間質浮腫は自己肺+NO群で有意に軽減されていた。 [5]考察 自己肺をoxygenatorとする完全体外循環回路モデルにおいてnitric oxide吸入の併用は向炎症性反応を軽減し、間質浮腫の増強を抑制した。 上記結果を現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)