2002 Fiscal Year Annual Research Report
GliomaにおけるPEG3発現抑制と悪性転化について
Project/Area Number |
13770778
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
張 智為 昭和大学, 医学部, 助手 (70307023)
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Keywords | PEG3 / glioma / oligodendroglioma / 19qLOH / EGFR / CNP |
Research Abstract |
Human PEG3 sequenceの解析結果から作成したanti-human rabbit polyclonal抗体を用いた免疫染色では、様々な脳腫瘍の中で特にgliomaでPEG3の発現が認められた。しかしp53やEGFRなどとの発現とPEG3発現との間に相関は見られなかった。唯一Ki-67や悪性度とは若干の相関は認められた。PEG3はGliomaの中でも特にoligodendrogliomaに高率に発現されているというい報告もあり、ある種のgliomaにのみ限定して働いているtumor suppressor geneである可能性が示唆された。 また、malignant gliomaでは10番や19番短腕に、oligodendrogliomaでは1番の長腕や19番の短腕にLOHが見られることは良く知られているが、PEG3も同様に19番の短腕に位置する遺伝子である。このため、引き続き上記の結果を踏まえて、oligod endrogliomaに特異的に発現するというanti-CNPaseの免疫染色をPEG3発現の程度と比較するとともに、1p : D1S1612、10q : D19S412、19q : D10S541をmarkerとしたMicrosatellate Array Assayを行い、それぞれの腫瘍に於けるLOHの有無とPEG3及びCNP発現の程度を検討した。 しかし、PEG3やCNPはoligodendrolia系のgliomaで有意差を持って発現するようなことはなかった。また19LOHのあるものはPEG3の発現は当然ながら低かったが、それ以外のLOHとPEG3発現との有意な関係は得られなかった。唯一、gliomaのgradeや腫瘍増殖能とPEG3発現との間に相関傾向が認められたが、これも統計学的な有意差は確認できなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 長島梧郎, 鈴木龍太, 浅井潤一郎, 張智為他: "GliomaにおけるPEG3の発現と、その作用機序についての検討"Brain Tumor Pathology. 19巻. 42 (2002)
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[Publications] 浅井潤一郎, 鈴木龍太, 長島梧郎, 張智為他: "髄膜腫に浸潤するCD68陽性細胞と腫瘍細胞のEGF, EGFR, TGFaの発現に関する検討"Brain Tumor Pathology. 16巻. 90 (1999)
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[Publications] 長島梧郎, 鈴木龍太, 浅井潤一郎, 張智為他: "悪性髄膜腫の成長におけるc-myc, PDGFの役割"Brain Tumor Pathology. 16巻. 37 (1999)
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[Publications] 長島梧郎, 鈴木龍太, 浅井潤一郎, 張智為他: "Germinomaのradio-chemoterapy後に発生したmalignant tumorの1例"Brain Tumor Pathology. 19巻. 100 (2002)
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[Publications] 長島梧郎, 鈴木龍太, 浅井潤一郎, 張智為他: "脳腫瘍患者の治療前・社会復帰後の情動反応からみたQOLの変化"心身医学. 39巻. 103 (1999)
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[Publications] 張 智為: "慢性硬膜下血腫を合併し、非特異的な経過をとった急性脳幹脳炎の1例"日本救急医学会雑誌. 9巻8号. 341-347 (1998)