2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770779
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
笹原 篤 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40287371)
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Keywords | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / MAP kinase |
Research Abstract |
くも膜下出血後の脳血管攣縮の原因は十分には解明されていないが、攣縮血管壁の遺伝子発現で見ると上昇しているのは炎症に関与するサイトカインであった。そこで我々は、炎症に関与するIL-1βやTGF-αのsuppressantであるMAPK inhibitor(FR167653)を犬二重出血モデルに投与し、効果を判定した。モデルにFRを1mg/kg/day投与し(n=7)day0およびday7に脳血管撮影を行ってその効果をプラセボ群(n=7)と比較した。また脳血管における炎症系サイトカインの遺伝子発現量をTaqMan quantitative RT-PCRを用いてコントロール群(n=7)と比較した。プラセボ群では著明な脳血管攣縮を認めたが、薬剤投与群では脳血管攣縮が有意に抑制されていた(P<0.01)。薬剤の血中濃度との関係は、血中濃度の高いものほど脳血管攣縮が抑制されていた。脳血管のIL-8の遺伝子発現量はプラセボ群では著明に上昇し、薬剤投与群で抑制されていた。MAPK inhibitor(FR)は血中濃度に相関して脳血管攣縮を抑制するものと思われ、その経路には炎症系サイトカインの関与が示唆される。
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