2001 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸カルシウム骨セメント注入による骨粗鬆症性損傷椎骨の骨再生に関する研究
Project/Area Number |
13770802
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
武政 龍一 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (20294837)
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Keywords | 骨粗鬆症 / リン酸カルシウムセメント / 骨再生 |
Research Abstract |
リン酸カルシウム骨セメント(以下CPC)は、α型リン酸3カルシウムを主体とする粉体と硬化液を混合するとペースト状となり、骨内に注入充填できるバイオアクティブペーストであり、骨粗鬆症に伴う脊椎骨折部などに注入することで、早期の除痛と日常生活復帰を可能とする治療として、臨床応用が既に始まっている。しかしCPCが骨内に注入されると、生体骨との相互反応が起こり、骨伝導による新生骨形成や長期的にはリモデリングによるCPCの吸収と骨への置換がなされるものと考えられている。これらのCPC-ホスト骨間の相互反応に影響を与える因子として、生体の骨代謝活性(年齢)や、骨粗鬆症の有無、CPCの粉液比などの因子の関与が臨床例での観察から推測されているがそれもX線所見からの検討でしかない。本研究では、実験的に骨粗鬆犬を作成してから、CPCを椎体内に粉液比を変えて注入し、長期飼育後椎体を取り出して、組織学的、力学的、生化学的検討を行うものであり、現在実験が進行中である。これまで予備実験にて、両側卵巣摘出後、低カルシウム飼料飼育6カ月で作成出来ることを確認し、また椎体へのCPC注入手技も一定の手順にてほぼ均一に行えることを確認した。現在は解析に用いる長期飼育犬を作成しているところであるが、屠殺時期は次年度を予定しているため、現在のところはまだ結果は得られていない。今後はこれらの骨粗鬆犬ばかりでなく、正常骨代謝活性を有する無処置犬とにCPCを注入したものを長期飼育し、骨粗鬆、粉液比、飼育期間別にデータを集積して、コンピューターを用いた画像解析や統計計算、組織、生化学的検討を進めてゆく予定である。
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