2001 Fiscal Year Annual Research Report
術後回復期の睡眠構築変化と呼吸・循環器系合併症の成因に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13770822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田垣内 祐吾 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (90282475)
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Keywords | 睡眠・覚醒のリズム / 麻酔 / 体内時計 / 概日リズム / 輪回し行動 |
Research Abstract |
平成13年度においては、マウスより安定した脳波、筋電図の信号を収集し、そこから覚醒・ノンレム・レム睡眠の判別を行うシステムの確立を目指して研究を始めた。しかしながら、非拘束状態のマウスにおいて安定した脳波・筋電図の信号を長期にわたり収集する点において技術的難問に直面し、当初の計画に若干の変更を加える必要に迫られた。 そこで現在着目しているのは日周期リズムの解析である。睡眠・覚醒のリズムはかなりの部分体内時計の支配下にあると考えられている。脊椎動物の体内時計の最も重要な局在部位は視交差上核であるとされ、その分子メカニズムはかなり解明されてきている。行動学的にはハムスターの輪回し行動は明確な概日リズムを持つとされ、従来研究によく用いられてきた。麻酔が体内時計に影響を及ぼすとすれば、ハムスターの輪回し行動に影響を及ぼすはずであり、それは比較的簡便なシステムで解析ができるはずである。このような仮説を証明するため、現在ハムスターの輪回し行動を軸に、深部体温なども加味した概日リズム測定システムの確立に努力しており、概要は完成した。現在までのところ、麻酔が輪回し行動のリズムに影響を及ぼすことを明確に示唆する所見は得られていない。 しかしながら臨床における麻酔では、麻酔そのものに加え、手術侵襲およびそれによるダイナミックな体液・液性因子の変動、体温の変動や、痛み、およびそれによる交感神経系の過緊張などが加わるため、単純な解釈を行うことはできない。これらの因子による影響を再現するため、模擬手術群を設定することなども視野に入れて現在検討中である。
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