2001 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子エピネフリンと100%酸素によるエピネフリンスプレーの開発
Project/Area Number |
13770828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
栗田 忠代士 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80303569)
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Keywords | エピネフリン / 心肺蘇生 / 気管内投与 |
Research Abstract |
本年度はまず1μm以上の大きさの固体エピネフリン、エアゾルによる検討を行った。エアゾルは蒸留水で希釈したエピネフリンをエアブラシにより投与した。(どれも0.02mg/kg相当投与) 1.1μm以上の固体エピネフリン0.02mg/kg 2.蒸留水2ml+エピネフリン0.02mg/kg 1はジャクソンリースの加圧バックに入れ、気管内チューブに接続し換気により投与してみた。固体エピネフリンの投与群では呼吸によってエピネフリンの気道への到達が異なり、充分な換気量が得られた場合はより末梢気道への到達が可能であったためか、平均血圧、心拍数の有意な上昇をみとめ、その場合血中カテコラミン濃度の上昇も蘇生に有効となる3分以内に有意にみとめた。しかし、問題点としてどんな換気量によっても投与量を一定にするのが困難であること、チューブ内にとどまるエピネフリン量も多く、これが呼吸による加湿とともに気管内に少しずつ投与され、かつ回収不能のため蘇生後の血中濃度を不安定にさせる可能性があることも上がった。 2はスプレー状にして気管内チューブに投与したところ気管内に投与されるものもあるが、チューブ内で液体としてとどまってしまう量が多く、それが気管内に流れていくことによって血圧の上昇や心拍数の増加をみとめた。次ぎにフェイスマスクを使ってスプレーで投与してみた。これでも有意な血圧や心拍数の上昇をみとめた。気管内に有効な量のエピネフリンが投与されずにほとんどが口腔内や鼻腔内にとどまってしまったと思われるが、これによっても血圧や心拍数の上昇をみとめたことから口腔や鼻空粘膜からの吸収も考えられた。本年の結果よりまず液体による投与の方が蘇生後のコントロールがしやすいこと、またなるべく末梢に投与した方が効果があると思われるが、実際はそれほど末梢でなくてもすくなくとも蘇生状態でなければエピネフリンの効果を発揮できる可能性があることがわかった。
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