2001 Fiscal Year Annual Research Report
初代培養脳神経細胞を用いた虚血モデルにおける麻酔薬物及び低温療法の神経保護効果
Project/Area Number |
13770831
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
澁田 達史 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20324767)
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Keywords | 初代培養神経細胞 / 低酸素 / 低体温 / 脳保護作用 / Shibuta's model |
Research Abstract |
本年度においては初代培養大脳皮質神経細胞を用いて、低酸素状態における細胞傷害モデルを作成し低温状態における細胞保護作用を調べることに成功した。妊娠16日目のウイスターラットより胎児を取り出し、大脳皮質を採取し脳神経細胞を分離し初代培養を行った。その後、通常のインキュベーターを用いて14日間培養を行った。14日目に培養液を破棄し、新しい培養液を加えた後に、窒素化された低酸素状態(酸素濃度3%未満)のインキュベーター内に培養細胞をそれぞれ6時間から24時間留置した。その際インキュベーターの温度を以下の5つの温度条件に設定した(1)正常体温群(37度)(2)低程度低体温群(33度)(3)中等度低体温群(27度)(4)高度低体温群(22度)(5)超高度低体温群(17度)。低酸素曝露開始24時間後の細胞生存率を判定はShibuta's methodに従い通常培養液破棄直前、および24時間後に位相差顕微鏡にて同一視野の神経細胞写真を撮影しトリパンブルー染色を行い判定した。その結果(1)群では低酸素曝露の時間が長くなるに連れて細胞生存率が低体温群に比較して有為に低下していった。または(5)群においても低酸素曝露時間が12時間以上の場合、他の低体温群よりも神経細胞生存率は有意に低かった。また(2)(3)(4)群間では低酸素曝露時間が18時間以下では生存率に有意差がなかったが24時間では(4)群の生存率が有意に高かった。以上の結果より低酸素状態における脳神経細胞の保護作用は高度低体温状態が最もすぐれている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)