2001 Fiscal Year Annual Research Report
全身性炎症反応症候群の病態解明と重症化予防法の確立
Project/Area Number |
13770843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
本山 剛 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00305020)
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Keywords | 全身性炎症反応症候群 / 酸化ストレス / ウリナスタチン |
Research Abstract |
全身性炎症反応症候群(SIRS)の原因となる侵襲の程度に応じて産生され、プロテアーゼ活性を制御することによりることにより、SIRSの病態において重要な役割を果たすことが明らかにされつつある、内因性プロテアーゼインヒビターの一種であるウリナスタチンを測定し、SIRSから臓器不全に至る過程における役割を解明することを目的とし、本研究を着想した。 全身性炎症反応症候群(SIRS)陽性の多臓器不全(MOF)症例を対象とし血中ウリナスタチン濃度及び酸化ストレスの指標として血中チオバルビツール酸反応生成物質(TBARS)値を測定した。さらに、多臓器障害の重症度の指標(SOFAスコア)を同時に評価した。血中ウリナスタチン濃度はSOFAスコアと優位な相関関係を認めた。さらに、血中ウリナスタチン濃度は血中TBARS値とも優位な相関関係を認めた。また、生存群に比し死亡群の入院時の血中ウリナスタチン濃度は高値を示した。このように、SIRS症例の多臓器不全合併時あるいは酸化ストレス亢進時における、血中ウリナスタチンの上昇が確認された。また入院時の血中ウリナスタチン濃度の測定がSIRS症例の予後の予測において有用である可能性が示唆された。
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