2002 Fiscal Year Annual Research Report
くも膜下腔または硬膜外腔に留置して局所麻酔薬濃度を連続的に測定する電極の開発
Project/Area Number |
13770846
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
指宿 昌一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70315381)
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Keywords | 局所麻酔薬電極 / 被覆線型電極 / PVC(polyvinyl chloride) / プロカイン / リドカイン |
Research Abstract |
目的: クモ膜下腔あるいは硬膜外腔に留置する局所麻酔薬電極を作成し、濃度変化を連続的に測定することが、本研究の最終的な目標である。前年度(平成13年度)は、生体内に留置する前段階として、安定した応答を示す電極を作成し、本年度(平成14年度)は、生体内留置を念頭においた電極の改善を目指した。 方法と経過: 直径0.3mmの銅線を芯線とする被覆線型局所麻酔薬電極を作成した。局所麻酔薬選択性膜(センサ膜)材料は、前年度同様にPVC+局所麻酔薬+NaTPB+NPOEを基本構成とした。これらを有機溶媒のTHFに溶解させたのち、直前に表面を研磨した芯線表面に塗布し、THFを蒸発させてセンサ膜を形成した。 前年度の方法では、センサ膜材料を混和する際に、局所麻酔薬もしくはNaTPBが少量溶け残るという問題点があった。予め局所麻酔薬およびNaTPBの水溶液を混合し、生じたイオンペアの沈殿を洗浄・乾燥させた後に、他のセンサ膜材料とともにTHFに溶解させる手順に改めた。これにより、センサ膜の均質性を向上させた。センサ膜の柔軟性を高める目的で、PVC含量を40%から30%へ低下させたが、センサ膜の強度が低下したため、40%に戻した。 本年度は、局所麻酔薬に塩酸プロカインと塩酸リドカインを用いた。細胞外液類似液(NaCl 140mM, KCl 5mM, pH7.6)で、0.01から10mMの範囲で濃度を段階的に変化させた局所麻酔薬溶液を調製し、電極の起電力を測定してセンサ膜の特性を評価した。塩酸プロカインを用いた電極は、0.1mM以上で44〜61mV/log[procaine]の直線性を示したが、塩酸リドカインを用いた電極は、0.5mM以上で60-100mV/log[lidocaine]のover responseを示す傾向にあった。リドカインでセンサ膜の特性が劣る理由は不明で、具体的な改善方法は、現在も模索中である。
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