2001 Fiscal Year Annual Research Report
腹膜炎敗血症時の横隔膜筋疲労サイトカインがアデニレートサイクレースシステムに及ぼす影響について
Project/Area Number |
13770848
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
藤村 直幸 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30325873)
|
Keywords | 敗血症 / 横隔膜 / 疲労 / adenylate cyclase system / dobutamine / terbutaline / procaterol |
Research Abstract |
本年度、我々はβアドレノセプターアゴニストが、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下に及ぼす影響について検討した。β1アドレノセプターアゴニストであるドブタミン(dobutamine)は、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下に影響を与えなかった。一方、β2アドレノセプターアゴニストであるプロカテロール(procaterol)やテルブタリン(terbutaline)は腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下を改善した。この横隔膜機能低下改善作用は、プロプラノロール(propranolol)の前投与により消失した。細胞内のcAMPを測定した結果、ドブタミンは細胞内のcAMP濃度に影響を与えなかったが、プロカテロールやテルブタリンは細胞内のcAMP濃度を上昇させた。プロカテロールやテルブタリンによる細胞内cAMP濃度の上昇は、プロプラノロールの前投与により抑制された。またdibutyryl cAMP投与は、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下を改善した。以上の結果より、β2アドレノセプター刺激によるadenylate cyclase systemの活性化が、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下を改善させることを明らかにした。 現在、β2アドレノセプターアゴニストが、細胞内のCa動態に与える影響について薬理学的に検討を行っている。また同時に、G-proteinをウエスタンプロッティング法により測定し、腹膜炎敗血症時にその発現様式に差がないか検討を行っている。
|
Research Products
(1 results)