2002 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症時の横隔膜機能低下 アデニレートサイクレースシステムに関する研究
Project/Area Number |
13770848
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤村 直幸 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (30325873)
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Keywords | 敗血症 / 横隔膜 / 疲労 / adenylate cyclase / dobutamine / terbutaline / procaterol |
Research Abstract |
本年度、我々はβアドレノセプターアゴニストが、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下に及ぼすメカニズムについて検討した。β1アドレノセプターアゴニストであるドブタミン(dobutamine)は、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下に影響を与えなかった。一方、β2アドレノセプターアゴニストであるプロカテロール(procaterol)やテルブタリン(terbutaline)は腹膜炎敗血症時の横隔膜収縮力を増強し、疲労からの回復を促進した。この横隔膜収縮力増強ならびに疲労からの回復作用は、βアンタゴニストであるプロプラノロール(propranolol)の前投与により消失した。細胞内のcAMPを測定した結果、ドブタミンは細胞内のcAMP濃度に影響を与えなかったが、プロカテロールやテルブタリンは細胞内のcAMP濃度を上昇させた。プロカテロールやテルブタリンによる細胞内cAMP濃度の上昇は、プロプラノロールの前投与により抑制された。またdibutyryl cAMP投与は、腹膜炎敗血症時の横隔膜収縮力を増強し、疲労からの回復を促進した。以上の結果より、β2アドレノセプター刺激によるadenylate cyclase systemの活性化による細胞内cAMP濃度の上昇が、腹膜炎敗血症時の横隔膜機能低下を改善させることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Narimatsu E, Kawamata Y, Kawamata M, Fujimura N, Namiki A.: "NMDA receptor-mediated mechanism of ketamine-induced facilitation of glutamatergic excitatory synaptic transmission"Brain Resarch. 25. 272-275 (2002)
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[Publications] 藤村直幸, 住田臣造, 並木昭義: "腹膜炎敗血症時の横隔膜収縮力低下-原因ならびに治療法に関する検討-"日本ショック学会雑誌. 16. 20-27 (2001)