2002 Fiscal Year Annual Research Report
高感度尿中癌細胞検出法の開発・Light cyclerを用いたhTRTの定量化
Project/Area Number |
13770875
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
西野 好則 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (90281055)
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Keywords | hTRT / リアルタイム定量的RT-PCR / 尿路上皮癌 / 膀胱癌 / 尿細胞診 |
Research Abstract |
今回我々はHuman telomerase reverse transcriptase (hTRT) mRNAのreverse transcriptase-polymerase chain reaction (RT-PCR)用に2組のoligonucleotide primerを設計した。このうち1組はリアルタイム定量的RT-PCRのHybridization probe法にも使用できるオリゴプライマーである。樹立された癌細胞株を用いて至適条件を決定した。細胞のhTRT mRNAの測定と同時にhouse keeping geneであるporphobilinogen deaminase (PBGD) mRNAを測定し、hTRT mRNA /PBGD mRNAを算出してこれを検体のhTRT発現量とした。 膀胱癌の臨床検体67例を用いて、hTRTの発現量を検討した。正常膀胱粘膜10例ではhTRT mRNAの発現は認めなかった。癌組織は全例でhTRT mRNAの発現を認めたが、hTRT発現量の検討では異型度、病理学的進達度、DNA ploidyとの間に有意な相関は認めなかった。また、膀胱全摘症例33例の検討ではhTRT高発現群とhTRT低発現群との間に生命予後に統計学的な有意差を認めなかった。 尿中剥離細胞でのhTRT mRNAの検出について検討した。尿にはmRNAを破壊するRNaseが存在するため、採尿後mRNAの抽出までに時間を要した検体でのhTRT mRNAの検出は困難であった。またhTRTの発現量は尿中の浮遊癌細胞数に比例したが、癌細胞数が少なくなるほど発現量との相関が悪くなった。臨床検体からのhTRT mRNAの検出は、今回の検討では特異度は高かったが、尿細胞診と比較して感度は悪かった。
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