2001 Fiscal Year Annual Research Report
HGPINにおける癌抑制遺伝子,増殖特異性マーカー分析による前癌病変としての評価
Project/Area Number |
13770893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
山本 真也 東京医科大学, 医学部, 助手 (40276952)
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Keywords | 前立腺癌 / HGPIN / 前癌病変 |
Research Abstract |
前立腺癌とHGPINの関係、すなわちHGPINが前立腺癌の前癌病変であるか否か、また前癌病変であるとすると、いかなるHGPINが前癌病変であるのかを解明するために、まず、前立腺癌とHGPINとの関係を知る目的で、中、低分化型のlatent cancer55例で検討した。その結果として下記の事が判明した。 1.いくつかの分化度が混合している病巣のうち、64.1%は病巣内部あるいは周囲にHGPINを有していたが、1つの分化度のみから構成されている病巣では19.7%のみしか認めず、統計学的有意差を認めた。 2.1つの分化度のみから構成されている病巣でかつ、癌体積が小さいもの(0.2cc以下)のうち病巣内部あるいは周囲にHGPINを有するものは1つも認めなかった。 以上より、前立腺癌の中にはHGPINを介さず発生するものがある、すなわち、すべてのHGPINが前癌病変ではない可能性が示唆された。しかしこの結果は、あくまで対象がlatent cancerであること、分子生物学的な確証が必要なことより、臨床検体にて、検索最中であるが、latent cancerと異なり、癌体積が大きいものがほとんどのため、難航している状態である。 次に、我々は前立腺全摘除術のHE標本を使用し、HGPINの腺管のみをLaser capture microdissection法(Olympus社製LM200を使用)によって、取り出し、それらのDNA抽出を試みた。まず標本によりcapture可能なものと可能でないものが存在した。これは、おそらくホルマリン固定時間、薄切技術によるものと考えられた。また取り出しが可能であったものの中にも、DNA量が少なく、その後の解析が不可能なものも存在した。
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