2001 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム解析を用いた日本人腎癌患者の腫瘍発生機構の解明
Project/Area Number |
13770901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
波多野 直哉 理化学研究所, 翻訳後修飾による動的調節機構研究チーム, 連携研究員 (10332280)
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Keywords | 腎癌 / プロテオーム |
Research Abstract |
本研究の目的は、腎癌細胞から抽出したタンパク質を二次元電気泳動によるプロテオームマップを作成し、癌細胞で特異的に欠失もしくは過剰に発現しているタンパク質の同定を行い、腫瘍発生の原因解明のための糸口を見つけることにある。二次元電気泳動で展開されたゲル上のスポット(ごく微量のタンパク質)から同定を行うため、ゲル内プロテアーゼ消化と質量分析計を組み合わせたマスフィンガープリンティング法、タンデムマス解析をするシークエンスタグ法を用いる予定である。 本年度は主に、二次元電気泳動の条件検討、質量分析計を用いた微量タンパク質解析のための技術習得、解析に用いるサンプルに関する染色体欠失領域のプロファイリングの仕上げを行った。その結果、二次元電気泳動では、泳動に用いるタンパク量、一次元目の等電点電気泳動の条件、タンパク質の銀染色法などを詳細に検討し、再現性の問題をほぼ解決できた。質量分析計を用いた解析では、200 fmol(フェムトモル)というごく微量のタンパク質をゲル電気泳動したものでも同定が可能になった。また、腎癌細胞における染色体欠失領域のプロファイリングに関しては、以前に行ったLOH(loss of heterozygosity)解析の結果に統計的な処理を加味し、腎癌患者で染色体欠失の頻度が高い、もしくは高い相関で同時に欠失が見られる領域を発見した。この結果は、多くの量的変動するタンパク質の中からその原因となりうる遺伝子を絞り込む際に、非常に役立つと考えられる。`
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Research Products
(1 results)