2001 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚部上皮内癌に対するHPVE6/E7アンチセンス遺伝子治療の試み
Project/Area Number |
13770916
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金森 康展 鳥取大学, 医学部, 助手 (70283984)
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Keywords | 子宮頚癌 / HPV / アンチセンスベクター / 抗癌剤感受性 / アポトーシス |
Research Abstract |
子宮頚癌とその初期病変である上皮内癌の大部分でHPV E6/E7タンパクの持続的な発現がみられ,それらは悪性形質の維持に必要とされている.E6/E7アンチセンス遺伝子導入を行い,内因性のE6/E7遺伝子発現を抑制することにより,HPV感染子宮頚癌細胞に対する抗腫瘍効果を明らかにしようとした.HPVのE6/E7遺伝子を標的とするため,正常細胞に対する影響は少ないと考えられる. 子宮頚癌細胞株SiHa(HPV 16型保有)とHeLa(HPV 18型保有)よりgenomic DNAを抽出し,PCRによりそれぞれのE6/E7遺伝子領域を増幅した.PCR産物をアンチセンス方向にpcDNA3.1プラスミドベクターにサブクローニングし,シークエンスで配列の正確性を確認し.SHiaとHeLaにそれぞれリポフェクション法でE6/E7アンチセンス遺伝子を導入した.RT-PCRでE6/E7アンチセンスRNAの発現を確認し,現在,内因性E6/E7 mRNA発現に対する影響を検討している.さらに,上記細胞株を用いて細胞増殖試験,フローサイトメトリー法によるアポトーシスおよび細胞周期の検討ならびにTUNEL法によるアポトーシスの検出を行う予定である.また,最近E6/E7タンパク発現の変化とDNA損傷をもたらす放射線や抗癌剤の感受性との関連が示唆されていることから,E6/E7アンチセンスRNA安定発現株を単離し抗癌剤感受性の変化を検討する目的でMTTアッセイによる細胞増殖抑制試験を進めている.
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