2001 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠母体血中の胎児細胞および胎児DNAのMicrochimerismの検討
Project/Area Number |
13770921
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐村 修 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90314757)
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Keywords | 胎児DNA / Microchimerism / FISH / 妊娠 / Taqman-PCR |
Research Abstract |
男児を妊娠した正常妊婦10名より,分娩または手術前と,分娩または手術直後と,分娩や手術後,1日たって血液を採取した。得られた血液をそれぞれ2つにわけ以下の方法で処理を行った。1)血清部分からDNAを抽出する。2)低張液を用いて無核の赤血球のみ溶血させその他の有核球をスライド上に滴下する。1)で得られたDNAをSRY領域のプライマーを用いてTaqman法を利用した定量的PCR法を行い母体血清1mlあたりのY領域のコピー数(単位:copy/ml)を検討した結果,分娩前では16.42〜246・96(平均88.05),分娩直後では2.96〜202.53(平均60.33)で分娩後1日目には0から2.52(平均0.80)であった。また,2)でできたスライドにX染色体とY染色体に特異的なDNAプローブをもちいたDual color FISH法を行い2つの異なる染色体を各々異なる色のシグナルとして検出した結果,XXのシグナルを持つ細胞のなかでXYのシグナルを持つ細胞(胎児細胞と考えられる)は非常に少ないことが判明した。現在その頻度について検討を加えている。コントロールとして女児を妊娠している方2名からも検体の提供を受け,同様の処理を行ったが母体血清中にSRYは検出できなかった。以上のことから母体血清中の胎児DNA分娩前後で高値となっているが,分娩後に排除され分娩後1日ではほとんど検出されなくなることが判明した。母体血中の胎児細胞が産後のどの時期まで検出できるか現在,検討を加えている。
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