2001 Fiscal Year Annual Research Report
不妊婦人血中に存在する抗透明帯抗体を特異的に検出する方法の開発
Project/Area Number |
13770933
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
高見澤 聡 自治医科大学, 医学部, 助手 (00306135)
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Keywords | 抗透明帯抗体 / 早発閉経(POF) / micro-dot immunoassay |
Research Abstract |
抗透明帯抗体の存在の確認とその特異的検出法として、ヒト透明帯を用いたmicro-dot immunoassayが有効かどうかを検討した. 方法として、その病因のひとつに透明帯(ZP)に対する自己免疫の関与が示唆されている早発閉経(POF)患者血清中の抗透明帯抗体の検出を試みた.ブタ卵巣より採取したブタ卵子およびヒトのIVF、ICSIの際のヒト未受精卵を用い、ともに機械的に卵細胞を除去しZPのみとし、それぞれPBSで100μl/ml濃度に可溶化した.ニトロセルロース(NC)膜上に0.2μlずつ、×1、×3、×9倍と希釈倍率を変えたmicro-dotを作成し、POF患者被検血清と健康男性血清を陰性コントロール、ヒト・ブタZP共通抗原であるブタZP糖蛋白ZP4に対するモノクローナル抗体5H4を陽性コントロールとして、NC膜上で一次反応を行った.次いでペルオキシダーゼ標識抗ヒト/マウスlgG抗体で二次反応を行い、クロロナフトールおよび過酸化水素で発色させコンピューター解析(NIH image)により反応強度を解析した. その結果、可溶化ヒトZPとの反応で、×1、×3倍希釈においてPOF患者血清は、健康男性血清に比して有意に高値を示した.一方、可溶化ブタZPとの反応ではPOF患者、健康男性間に有意差はなかった.これにより、POF患者血清中の抗ZP抗体の存在とその特異的検出法としてmicro-dot immunoassayが有効である可能性が示唆され、平成13年11月の日本不妊学会にて同研究結果を報告した.その後、反応条件(血清希釈倍率、反応時間、反応温度など)を変え、検体数を増やし実験を継続したところ同様結果を得て、平成13年12月免疫学会の日本生殖学会にて結果を発表した.現在、同検査法による抗ZP抗体検出のカットオフ値の設定と、抗ZP抗体陽性血清の受精阻害作用の有無を検討中である.
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