2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770939
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
福地 剛 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70245554)
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Keywords | 子宮内膜増殖 / Wntシグナル / 遺伝子発現 / 転写活性 |
Research Abstract |
子宮体内膜において周期的に認められる殖期期から分泌期への形態的、機能的な変化に伴う遺伝子発現パターンを解析し、子宮内膜増殖症や子宮内膜癌などの増殖性疾患における責任遺伝子を解明することを研究目標とした。研究モデルとして子宮体内膜の増殖、分化への関与が示唆されるWntシグナルとエストロゲンシグナルとをターゲットとしたin vitro細胞培養系を用いて、エストロゲン刺激あるいは遺伝子導入による恒常的なWntシグナル活性条件下での遺伝子発現を検討した。 子宮体癌由来培養細胞株7株(Ishikawa, Hec1A, Hec1B, Hec108,SNG-II, HHUA, KLE)をスクリーニングし、Wntシグナルの活性化に関与するβカテニンに遺伝子変異が無く、同時にエストロゲン受容体を有しエストロゲン依存性に増殖することが確認されたIshikawa株をモデル細胞とした。一方で活性変異型βカテニン遺伝子導入が実際にWntシグナル転写活性化に働くことを、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイ系にて確認した後(野生型βカテニン遺伝子を有するHec1A株を対象とした)、Ishikawa株にリポフェクタミン法で遺伝子導入し同様のアッセイ系で検討した。その結果、転写活性の上昇は他の細胞と比較して軽度であり、遺伝子発現のプロファイルを検討するためには転写活性の上昇が明らかであることが望ましいと考えられた。従来よりIshikawa株はheteroな細胞集団であることが指摘されていることから、Ishikawa株をsingle cell cloningし、遺伝子導入効率の良い亜株を樹立したうえで改めてルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイを行い最も条件の良い(転写活性化効率が高い)亜株を選択する方針とし、今後の検討課題とした。
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