2001 Fiscal Year Annual Research Report
異なる重力環境が前庭系に及ぼす影響-DNAチップ(マイクロアレイ)による解析
Project/Area Number |
13770953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
工 穣 信州大学, 医学部, 助手 (70312501)
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Keywords | 過重力 / 微小重力 / 前庭系 / 遺伝子発現 / mRNA / DNAチップ(マイクロアレイ) / real-time PCR / ラット |
Research Abstract |
近年宇宙開発事業は急速な進歩を遂げており、近い将来人類が宇宙の微小重力環境下により長く曝露される可能性が多くなることが予想される。そのため微小重力を含む異なる環境下で起こりうる身体の変化を予測することは、今後の宇宙活動を進める上で非常に重要であると思われる。今回異なる重力環境に暴露された際にいかなる遺伝子の発現が促進あるいは抑制を受けているかに関して検討を行った。ラットに過重力(2G)を48時間負荷し、前庭系(末梢前庭系、脳幹、小脳)でいかなる遺伝子発現が変化するかについて、それぞれmRNAを抽出し、短時間に多くの遺伝子発現の変化を捉えることができるDNAチップ(マイクロアレイ)を用いて解析した。その結果、過重力負荷を受けた末梢前庭において、遺伝子発現比が2倍以上に増加する7つの遺伝子、1/2以下となる1つの遺伝子が明らかとなった。現在これら遺伝子についてそれぞれreal-time PCR法により定量解析を行っているところである。今後これらの物質が実際に末梢前庭のどの細胞においてどのように働いて新しい環境へ適応しようとしているのかなどについてin situ hybridization法などを用いて検討していく予定である。同様に脳幹や小脳についても解析を進め、前庭系全体としてどのような遺伝子発現の変化が起こっているのかについても検討予定である。また今回明らかとなった遺伝子発現の変化は、平成14年度スペースシャトルに搭載予定である微小重力環境に暴露されたラット末梢前庭を用いた解析の重要な基礎データとなりうると思われる。
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