2001 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体優性遺伝性難聴の候補遺伝子としてのNaチャネル遺伝子の解析
Project/Area Number |
13770960
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福島 邦博 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284112)
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Keywords | DFNA16 / 遺伝性難聴 / ナトリウムチャネル / ゲノム構造 / 第2番染色体 / SCN2A / SCN3 |
Research Abstract |
DFNA16は、常染色体劣性遺伝性難聴を示す非症候群性難聴であり、時に急激な聴力低下を示すことが特徴として知られている。我々はすでに責任遺伝子が2q23-24.3にマップされることを報告してきたが、本研究ではさらにfine mappingを行い、また候補遺伝子解析を行った。Finemappingの結果では、境界となる組み替えがD2S354とD2S124の間で認められ、新しい領域として3.5-cMの領域が新たにDFNA16の候補領域として示された。この領域にある候補遺伝子としては、二つの膜電位依存型ナトリウムチャネルのtype 2 alpha subunit(SCN2A)とtype 3 alpha subunit(SCN3A)が認められた。SCN2Aはヒトの胎児蝸牛で発現しており、我々はそのゲノム構造を決定してDFNA16家系で遺伝子の変異解析を行った。また、SCN3Aでも同様の解析を行ってその変異について検討した。これらの二つの遺伝子は、head-to-headで存在しており、各々の5'端はおよそ40kb離れていた。これら2つの遺伝子のホモロジーは塩基レベルで82%、アミノ酸レベルでは90%であった。またゲノム構造自体も非常に類似しており、両者とも発達段階によって制御されているaltemative splice isoformsを有していた。いずれの遺伝子からもDFNA16の原因遺伝子変異と思われる変化は認められなかったが、SCN2Aイントロンに存在する多型によるハプロタイプ解析では、候補領域をさらにD2S354とSTS SHGC-82894の間に絞り込むことが可能であった。
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Research Products
(1 results)