2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770970
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 和秀 大分医科大学, 医学部, 助手 (10305055)
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Keywords | 微少転移 / 舌癌 / 頸部郭清 |
Research Abstract |
過去に当科で臨床的に舌癌Tl,2NOと診断された27例について潜在的転移及び微小転移を検討した。症例は男性17例,女性10例,年齢は平均57.7歳(22歳〜79歳)であった。過去に,全例,舌腫瘍摘出に伴い保存的頸部郭清が行われ,郭清されたリンパ節はホルマリン固定後パラフィン包埋された。得られたリンパ節は計516 nodeで内訳は顎下部76 node,上深頸部139 node,中深頸部104 node,下深頸部87 node,鎖骨下領域30 node,副神経領域66 nodeオトガイ部14 nodeであった。サンプルを100μmごとに10μmで薄切し,各リンパ節につき3切片をHE染色,抗サイトケラチン抗体(AE1/AE3)による免疫染色を行い検討した。 HE染色で顎下部1/76 node,上深頸部1/139 node,中深頸部2/104 node,計4/516 nodeに転移を認めた。抗サイトケラチン抗体による免疫組織学的検討では顎下部6/76 node,上深頸部6/139 node,中深頸部3/104 node,下深頸部1/87node,計16/516 nodeに転移を認めた。その内HE染色による検討で明らかに見落としであったものは6 nodeで,micro metastasisを6 nodeに認めた。 今回の検討では術前に顎下部を含めた放射線療法が行われていたものが15例含まれていたにもかかわらず,免疫組織学的に顎下部に転移を最も多く認め,潜在的な転移は予想以上に多いことが示唆された。上深頸部にも多く転移を認めたが,予想に反してオトガイ部の転移は認めなかった。症例別では免疫組織学的に潜在的転移又は微小転移を認めたものは11例で,27例中4例にpN up-gradeを認めたが,5年生存率に有意な差はなく予後との関係は不明であった。
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