2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770970
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
吉田 和秀 大分医科大学, 医学部, 助手 (10305055)
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Keywords | 舌癌 / 頸部リンパ節転移 / 微小転移 / pN upgrade |
Research Abstract |
舌癌は比較的早期から頸部リンパ節転移を来たし,その制御は予後を大きく左右する。重要な予後因子の一つが潜在転移の存在である。近年,多くの悪性腫瘍において,通常のリンパ節のHE染色による診断では検出困難な微量癌細胞の存在(微小転移)が予後に影響することが報告されている。免疫染色に抗cytokeratin抗体を用い,舌癌T2NO症例におけるリンパ節微小転移について検討した。 S.57〜H.11の間に当科で手術治療した舌扁平上皮癌T2NO症例24例について検討した。男性14例,、女性10例で平均58.5歳で,治療は放射線治療30Gy後,舌腫瘍摘出・患側の保存的頸部郭清術を行い,全例pull through法による切除・再建を行った。 摘出リンパ節を用い,HE染色とcytokeratin染色による微量癌細胞の検出を比較した。HE染色で,は上・中深頸部に各1例づつ全体の8%の症例で潜在転移を認めた。術前の放射線治療のためか,潜在転移率は他の報告より低く,転移リンパ節数も3個と全リンパ節の1%にすぎなかった。一方,cytokeratin染色による検討では顎下・上・中・下深頸部・鎖骨上リンパ節に微小転移を認め,中でも上深頸部に最も多く約半数の症例で陽性であった。全体では24症例中14症例58%の症例に微量癌細胞を認め,従来の潜在転移率を大きく上回る結果となった。また,性別,年齢,腫瘍径,分化度と微小転移の有無には有意な関係はなく,リンパ節径においてのみ有意な差を認めた。pN upgradeはHE染色では2例のみであったが,微小転移を加えると実に14症例58%と半数を超えていたさらに,微小転移の多くが多発性であり.,pN2bにupgradeしたものが11例46%に認められた。 以上より,II期舌癌において微小転移の観点からは,術前にすでに広範囲かつ多発性の頸部転移を来たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)