2001 Fiscal Year Annual Research Report
鼻粘膜上皮細胞の分化機構ならびに細胞間情報伝達に関する生物化学的研究
Project/Area Number |
13770971
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
出口 浩二 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (50315438)
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Keywords | Floating culture model / 好酸球 / co-culture / ciliogenesis / サイトカイン |
Research Abstract |
1)Floating culture model 慢性副鼻腔炎患者の手術時に摘出される副鼻腔粘膜や鼻茸から鼻粘膜上皮細胞を分離し、TypeI collagen gelを基質として各種増殖因子を含んだmediumにて培養し、subconfluentの状態まで増殖させる。この状態では分化は生じておらず、扁平な未分化な細胞で構成される。(細胞増殖期)この細胞をcollagen gelと共にdishから剥離し、浮遊状態とする。浮遊後、細胞の重層化、繊毛細胞への分化が開始するが、この浮遊と同時に下記EoL-1とco-cultureを行った。通常の培養であれば、繊毛細胞の発現が生じているであろう10日目で組織を固定し光学顕微鏡レベルでの形態の差異を検討。 2)EoL-1(eosinophilic cell line) 本細胞はleukemia患者よりcell line化されたもの(Establishment and characterization of a new eosinophilic leukemia cell line. Blood 1985;66:1233.) 3)結果および次年度の目標 同一検体通常の培養とEoL-1とのco-cultureで比較した場合、明らかに繊毛新生の度合いの異なる結果が得られるものと、両者であまり差異を認めないものとが結果として得られた。これは、検体そのもののbackground(採取した症例の年令、病態の重篤度など)が影響していることも考えられる。またEoL-1の存在により、mediumのpHなど物理的な培養環境の差異もあり、次年度にかけては、好酸球と関連のあるサイトカインをmediumに加えることで、純粋な好酸球関連のサイトカインによる影響も併せて検討したい。
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