2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13770986
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
林 裕次郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80296681)
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Keywords | 回転軸解析 / 後半規管型BPPV / Semont法 / 水平半規管型BPPV / 前庭神経炎 |
Research Abstract |
典型的な後半規管型BPPVと診断された13症例の眼振における回転軸解析を行った。 解析の結果、回転軸が患測の後半規管に一致する群(7例:A群)と、回転軸が前後の軸と一致する群(6例:B群)の2群に大別された。この結果から、A群の患者においては病巣が後半規管に限局しており、B群では後半規管に限局していないことが推測された。とくにB群の病巣は、三半規管すべてではないかと推測した。その理由は、すべての三半規管が興奮したときに誘発される眼振における回転軸が、前後の軸とほぼ一致するためである。 以上の検討に加え、全13例の患者に対して後半規管型BPPVに対する理学療法であるSemont法を施行(1日1回)し、治癒までの日数に関して検討を行った。その結果、A群では治癒までの期間が極めて短かった(平均2.4日)のに対し、B群では治癒までに有意に長い時間を要した(平均25.7日)(p<0.05)。これらは、B群の患者においては病巣が後半規管に限局しておらず、三半規管全体であるという我々の推測を支持する結果と考えられた。 回転軸解析は、病巣推定に極めて有用である。現在、前庭神経炎の病巣推定、水平半規管型BPPVの病巣推定とその患側決定法などを目的とした回転軸解析の臨床応用を行っている。
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