2002 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ膜炎における一酸化窒素(NO)の発現を介した免疫抑制剤の作用について
Project/Area Number |
13771030
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
中馬 秀樹 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20244204)
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Keywords | NO / エンドトキシンブドウ膜炎 / LPS / サイクロスポリンA |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)がブドウ膜炎の際に産生され重要な役割を果たしていることが知られている。さらに近年サイクロスポリンAなどの免疫抑制剤が誘導型一酸化窒素合成酵素の発現を抑制しているという報告があるが、免疫抑制剤がブドウ膜炎の病態にかかわるNOにどう影響を及ぼしているか確認されていない。したがって我々はエンドトキシンブドウ膜炎のモデルを用いて、サイクロスポリンAがブドウ膜炎の際に産生されるNOと炎症反応にどのような影響を与えているか検討した。雄ルイスラットの足皮下にリポポリサッカライド(LPS)200μgを注射し、エンドトキシンブドウ膜炎を惹起した。LPS投与時にサイクロスポリンA20mg/kg腹腔内に注射した。注入後24時間後に前房水を採取し、NOを測定した。さらに蛋白濃度を測定した。前房水のNO代謝産物(NO3-)はコントロール群において19.9±0.74μmol、LPS投与群において85.8±0.25μmol、LPS+サイクロスポリンA投与群において64.6±0.82μmolと、サイクロスポリンAは有意にNOの発生を抑制させた(P<0.0005)。さらに蛋白濃度は、コントロール群において1.89±0.11mg/ml、LPS投与群において10.81±0.58mg/ml、LPS+サイクロスポリンA投与群において5.02±0.33mg/mlと、サイクロスポリンAは有意に蛋白濃度を減少させた(P<0.0001)。以上より、サイクロスポリンAは、ブドウ膜炎の際に産生されるNOを有意に低下させ、それにより眼内炎症を低下させている可能性が示唆された。
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