2001 Fiscal Year Annual Research Report
難治ぶどう膜炎に対する免疫抑制剤硝子体内送達システムの開発に関する実験的研究
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13771033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
桜井 英二 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (30305528)
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Keywords | 強膜プラグ / ドラッグデリバリーシステム / FK506 |
Research Abstract |
1.Tacrolimus(FK-506)含有強膜プラグの成型 乳酸ポリマーあるいはグリコール酸一乳酸ポリマーを基剤とし、Tacrolimus(FK-506)を種々の重量配分で混合して、凍結乾燥後、ホットプレート上で強膜プラグ型に成型する。 2.In vitroにおける薬物放出動態の検討 先に成型したTacrolimus(FK-506)含有強膜プラグを37℃試験管内での放出試験を行いIn vitroにおける薬剤放出動態を検討した。薬剤放出の評価は、分光光度計を使用しておこなった。1、3、7、14、21、35日後の放出率(%)はそれぞれ、0.78、1.56、2.38、3.06、20.4、39.9であった。 3.家兎眼におけるTacrolimus(FK-506)含有強膜プラグの硝子体内薬物放出実験 Tacrolimus(FK-506)の経時的な眼各組織(硝子体・脈絡膜・網膜)への放出を検討するためTacrolimus(FK-506)含有強膜プラグを眼内に挿入して、2週、4週、8週、12週に眼球を取り出し、硝子体・脈絡膜・網膜に組織を分けホモジネート後それぞれの薬物濃度を分光光度計を用いて測定した。強膜プラグ挿入後も眼内薬物濃度は200ng/gと維持できた。 4.家兎眼におけるTacrolimus(FK-506)含有強膜プラグの毒性実験 Tacrolimus(FK-506)含有強膜プラグの毒性を検討するため、前記と同様に、Tacrolimus(FK-506)含有強膜プラグを家兎硝子体内に挿入し、分解性および毒性について検眼鏡・電気生理学的・組織学的に検討した。Tacrolimus(FK-506)含有強膜プラグ挿入後、3ヶ月に倒像鏡を用い眼底を透見したところ特記する異常は認められなかった。また、Electroretinogramを用いた、網膜の電気生理学的検査でも異常は認めず、ヘマトキシリン・エオジン染色による組織学的検索でも組織学的な傷害を認めなかった。 5.実験的ぶどう膜炎の作製とTacrolimus(FK-506)含有強膜プラグを用いた治療 Mycobacterium tuberculosis H37 RA抗原を用い、有色家兎に実験的ぶどう膜炎を発症させ、治療群と非治療群にわけ、治療効果を判定した。臨床像と、前房水内蛋白濃度と白血球数の臨床検査データにより治療効果を判定した。ぶどう膜炎発症後1ヶ月後においても有意に治療効果を認めた(P<0.01)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Eiji Sakurai, Hironori Ozeki, Noriyuki Kunou, Yuichiro Ogura: "Effect of particle size of polymeric nanospheres on intravitreal kinetics"Ophthalmic Research. 33. 31-36 (2001)
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[Publications] Sakurai E, Matsuda Y, Oseki H, Kunou N, Nakajima K, Ogura Y: "Scleral plug of biodegradable polymers containing ganciclovir for experimental cytomegalovirus retinitis"Invest Ophthalmol Vis Sci. 42(9). 2043-2048 (2001)
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[Publications] 松田吉人, 桜井英二, 尾関年則, 久納紀之, 中島捷久, 小椋祐一郎: "家兎眼でのヒトサイトメガロウイルス網膜炎モデル"日本眼科学会雑誌. 105. 597-602 (2001)