2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチド(CGRP)による前房内免疫制御システムの解明と応用
Project/Area Number |
13771047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
毛塚 剛司 東京医科大学, 医学部, 助手 (00287137)
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Keywords | 実験的自己免疫性ぶどう膜炎 / CGRP / マクロファージ / IL-10 |
Research Abstract |
平成13年度の目標として、神経ペプチドであるCGRPで刺激したマクロファージによるリンパ球増殖能の喪失およびリンパ球産生サイトカインの変化を検討することを挙げた。当初、卵白アルブミン(OVA)に対するTcrトランスジェニックマウス(DO11.10マウス)を使用する予定であったが、入手不可能となり、実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(以下EAUと略す)が発症可能なマウスであるC57BL/6マウスを用いて以下の実験を行った。CGRP刺激マクロファージのリンパ球反応、生体内の反応で遅延型過敏反応の喪失を検討するために、まず、チオグリコレート腹腔内注入マウスより腹腔マクロファージを採取し、マクロファージをぶどう膜炎発症可能な網膜抗原の部分合成ペプチドとCGRPで刺激し、一晩培養した。このマクロファージを洗浄した後、C57BL/6マウスに静脈投与し、そして網膜抗原の部分合成ペプチドと完全フロインドアジュバントをマウス足蹠に強化免疫し、百日咳トキシンを腹腔内投与した。20日目で遅延型過敏反応を測定したところ、CGRP刺激マクロファージ群では対照群に比べ、有意に抑制されており、22日目でマウス屠殺後に測定したペプチド抗原特異的リンパ球増殖反応も抑制されていた。また、CGRP刺激マクロファージ群でのペプチド抗原特異的リンパ球では、対照群に比べ、IFN-gamma産生の差はなかったものの、IL-10産生は有意に上昇していた。そしてEAU発症率でもCGRP刺激マクロファージ群では対照群に比べ、有意に抑制されていた。これらの結果から、CGRP、抗原刺激マクロファージはIL-10を介して自己免疫性ぶどう膜網膜炎を抑制する可能性が示された。
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