2001 Fiscal Year Annual Research Report
光線力学療法(Photodynamic therapy)の網膜脈絡膜への影響
Project/Area Number |
13771049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中島 正巳 日本大学, 医学部, 講師 (50297826)
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Keywords | 光線力学療法 / 光感受性物質 / 脈絡膜新生血管 / 病理組織 |
Research Abstract |
水溶性光感受性物質であるATX-S10Naをラットに静注後、670nmのダイオードレーザーを実験的脈絡膜新生血管に照射すると新生血管は閉塞するとされている(Lasers Surg. Med. 26:48-57,2000)。現在、我々はATX-S10Naの構造異性体であるPAD-S31を用い、ラット眼の正常網脈絡膜への影響を病理組織学的手法を用い検討中である。さらにラット眼に実験的脈絡膜新生血管を作製させ治療効果を検討する予定である。 1)正常網脈絡膜への影響 ブラウンノルウエーラット(200〜250g)にPAD-S31 8mg/Kgを静脈投与した群(投与群)と非投与群(=コントロール)にわけた。投与群(直後と2時間後)および非投与群に半導体レーザー(波長670nm)を照射する(3.7-32.6J/cm^2)。照射1,7,30日後にフルオレセイン蛍光眼底造影(FA)を行い、病理組織学的検討のため眼球摘出する。組織内のサイトカイン、組織内の血管内皮細胞、網膜色素上皮細胞、マクロファージを同定するため、それぞれVEGF,およびIL-8、von Willebrand factor,CK18,HAM-56に対する抗体を用いて免疫染色を行う。また網脈絡膜のアポトーシスの状態をTUNNEL法を用いて検討する。 2)実験的脈絡膜新生血管への影響 ブラウンノルウエーラットに強レーザー光凝固(100μm,0.1sec,150mW)を行い実験的脈絡膜新生血管と作製する。20〜25日後にフルオレセイン蛍光眼底造影を行って脈絡膜新生血管が発育したのを確認する。その後投与群(直後および2時間後)と非投与群に半導体レーザーを照射する(7.4-65.3J/cm^2)。照射1,7,30日後にFAを行う。病理組織学検討は1)と同様に行う。また、脈絡膜新生血管のアポトーシスの状態をTUNNEL法を用いて検討する。
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