2001 Fiscal Year Annual Research Report
プラスミノーゲン・アクティベータ・インヒビター-1の眼内血管新生に対する効果
Project/Area Number |
13771050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
安藤 彰 関西医科大学, 医学部, 助手 (50319612)
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Keywords | PAI-1 / 低酸素網膜症 / 網膜新生血管 / 脈絡膜新生血管 / VEGF / lectin染色 |
Research Abstract |
プラスミノーゲン・アクチベーター・インヒビター-1(PAI-1)遺伝子組み替えマウスを用いた実験を行った。低酸素網膜症モデルはPAI-1遺伝子欠損マウス(PAI-1 -/-)とC57bl/6 wild type マウス(PAI-1 +/+)を掛け合わせてPAI-1 -/+を作成し、これをPAI-1 -/-と掛け合わせてPAI-1 -/+とPAI-1 -/-の仔マウスを得た。またPAI-1遺伝子過剰発現マウス(PAI-1tg)のヘテロ体をC57bl/6 wild typeマウスと掛け合わせ、PAI-1tgとwild typeの仔を得た。生後7日目に母マウスと一緒に酸素濃度を75%に保った箱に5日間入れ、再び大気酸素濃度で5日間生育させ、仔マウスに低酸素網膜症を作った。眼球摘出後に厚さ10μmの薄切切片を作製してlectin染色を行うと、90%以上の眼球で硝子体腔内に伸展する網膜新生血管が観察された。この網膜新生血管はPAI-1 -/+とPAI-1 -/-およびPAI-1tgとwild typeの間で有意差はみられなかった。脈絡膜新生血管モデルでは、PAI-1 -/-とPAI-1 -/+を掛け合わせてPAI-1 -/+とPAI-1 -/-の仔マウスを生後6週まで生育させ、波長527μm、出力100mW、スポットサイズ100μmのレーザーを用いて1眼あたり3か所に強度レーザー光凝固を行ってBruch膜を断裂させ、2週間後に脈絡膜新生血管を計測した。厚さ10μmの連続薄切切片を作成してlectin染色を行い、容積を測定して比較するとPAI-1 -/-ではPAI-1 -/+よりも大きな脈絡膜新生血管が観察された。またPAI-1tgではwild typeより大きな脈絡膜新生血管が観察された。脈絡膜新生血管モデルではPAI-1欠損でも過剰発現でも大きな新生血管が観察された。
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