2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松永 裕史 関西医科大学, 医学部, 講師 (80278639)
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Keywords | 線維柱帯細胞 / 細胞老化 / 緑内障 / 傍Schlemm管結合組織 / 眼圧 |
Research Abstract |
正常細胞は少なくとも培養系においては無制限に増殖することはできず、限られた分裂回数ののち、増殖を停止する。この過程は細胞老化とよばれ、正常細胞は有限の分裂寿命をもつことが明らかとなっている。老化細胞では多くの遺伝子発現の変化が報告されており、これらの現象はヒトの老化現象や、加齢性疾患の発生と進行にかかわっている可能性が指摘されている。原発開放隅角緑内障は、眼内圧が上昇し視神経障害をきたす疾患で、眼内圧の上昇は加齢によって線維柱帯、特に傍Schlemm管結合組織の房水流出抵抗が高くなることによると考えられている。前房隅角の加齢性変化としては、線維柱帯層板の肥厚、線維柱帯細胞の減少、マクロファージの増加、傍Schlemm管結合組織の細胞外基質に異常な物質(斑点plaque)の蓄積などが挙げられている。老化細胞では、形態の変化とともに、基底膜の合成と分解に関わる物質や成長因子の遺伝子発現が変化することが知られている。我々は、細胞老化に陥った線維柱帯細胞が、傍Schlemm管結合組織にどのような影響をおよぼしているかを明らかにするために実験を行っている。豚眼の線維柱帯組織を採取し組織培養を行い、組織周囲に遊走、増殖した線維柱帯細胞を抽出し継代培養を行っている。得られた細胞は蛍光抗体法によって豊富にLDLレセプターがあることを証明し、線維柱帯細胞であることを確認した。また小グルココルチコイドを培養液に添加し、TIGR/MYOC遺伝子の発現上昇を確認する予定である。
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